文世さんに逢いたい

「婆猫ふみちゃんのスローライフ」を綴りたくて、 2004年から始めたブログですが、
ふみは2009年3月に19歳10か月で逝きました。

2009年06月

傷痕に祈る

  犬 動物と接する人の手・腕には,多かれ少なかれ
  ひっかき傷ができていると思われる。
  動物病院のスタッフなんて大変だよね 病院
  ふみを抱えてくれるスタッフの方の,
  腕の傷跡につい目がいってしまうのだった。

  両方の手の甲に,傷が残っている。
  右手のほうには父譲りの痣があって,
  見にくいけれど,確かに傷が走っている。
  いずれも,ふみがここ5年のうちにつけたものだ 猫

  ひまわり 時期をもっと絞ると,腎不全での入院前。
  まだ,外の野良猫に「フーッ!!」と空威張りして見せたり,
  トイレの後,妙に“ハイ”になって
  布団の上で「見えない虫」と格闘したり,
  ふみに“若さ”が微かに残っている頃だったね。

  動物とゴルゴ13は,本能で“死角”の気配に反応する。
  まぁ…子猫時代から反射神経に疑問のあったふみと,
  ゴルゴ13とを同列に論じてはいけないと思うが ロケット

  10歳以降のふみは,視覚に変調を来たしていた分,
  気配に過敏になっていたんだろうな。
  近づいてくる手が危険か安全か見極めるよりも前に,
  とりあえず反射的にアタックしていた。
  そして,次の瞬間にはもう後悔している。
  ふみは,表情からいろんな事を読み取らせてくれた。

  16歳の夏以降,さすがに反応が鈍くなる。
  この私でさえもかわせるのだから,
  ふみの反射は“攻撃”ではなくなっていた。
  死角から伸びた手にカプッ!と噛みつこうとしても,
  あまりにもスピードがない。
  スピードがないから,自分でも途中で我に返る。
  4年前から,私の手の甲は
  ふみの「甘噛み」スキンシップしか受けていない。

  もっと傷が残ってると思ったのにな…
  いっぱい傷つけてくれてよかったのに…

  星 手の甲に額を押し当てて,祈る。
  ふみが寂しい思いをしていませんように。
  ふみと私が必ず再会できますように… 流れ星

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あしおと

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  電球 最近は部屋の照明を点けたまま眠りに落ちている。
  今朝も途中で目覚め,照明を落とした。
  ガラス戸を通して,夜が去りかけているのを感じる。
  再び布団に横たわって,眠ろうとした時
  “あしおと”が聴こえた。

  猫 猫は足音を立てないものだが,
  年取ってからのふみは違った。
  もともと,毛繕い同様に爪とぎも下手だったのが,
  加齢現象なのか,爪自体引っ込まなくなってしまった。
  爪の根元の筋肉が収縮しなくなる?
  とにかく,婆猫・ふみちゃんが家の中を移動してる時は,
  音でどこに居るのかが伝わってくる。
  出っ放しになった爪が,カツンカツンと音を立てるから。

  雨 雨が降り始めていた。
  でも,雨音とは違う,“あしおと”が廊下に在る。
  あ…還ってきたんだ。
  おかえり。
  いつもは私が「ただいま」と言うほうだったけれど,
  今度は「おかえりなさい」と言えるんだね クローバー

Splendor in the Grass

  サボテン Though nothing can bring back the hour
  of splendor in the grass,
  of glory in the flower,
  We will grieve not,rather find
  the strength in what remains behind


  草原の輝き 花の栄えるとき
  再びそれが還らずとも
  嘆くことなかれ
  その奥に秘められた力を見出すべし クローバー

                 ワーズワース『幼年時代を追想して不死を知る頌』

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草原の輝き

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  雨 霧雨…いや,小糠雨というのか?
  全身に,心に,絡みついてくる雨の中を歩く。
  アルコール度数25の麦焼酎を買うために。

  父の命日が近い。
  お酒に強い人だった。
  ただ,ずっとビール党だと思い込んでたんだよな。
  母に確認したら違った。
  熱燗 一番好きなのは日本酒だったんだって。
  顔も性格もそっくりな私は,体質まで父に似ている。
  膵臓には要注意だ…う~ん,もう遅いかもしんない。

  自分の誕生日から弟の命日までの2か月。
  それは,毎年私がさまざまに迷走する期間だ。
  ほぼ“習慣”となっているのが,
  『草原の輝き』という映画と,
  その中で朗読される同名の詩に思いを馳せること。

  本 映画と詩について知ったのは,高校時代。
  愛読していた映画雑誌からだった。
  落合恵子が連載エッセイの中で取り上げていたのだ。

  ひまわり 「青春」なんて言葉は,今やすっかり死語だろうか。
  だいぶん色褪せているには違いない。
  でも,十代の頃の自分には,輝いて見える単語だった。
  聴覚よりも,視覚。
  眩しくて,手が届かない… キラキラ
  自分には絶対に縁のないキーワードだと感じ,
  憎しみさえ覚えていたから,そのエッセイには胸を衝かれた。
  落合恵子も,「青春」という言葉に同様の思いを抱いていた。

  “青春と呼ばれる季節”に籍だけ置き,
  呪詛を吐きながら成人した。
  しかし,20年前にふみとヒロが身内に加わった時,
  思い返せば自分は,“青春”の中に居たのじゃないか?
  片思いをしていた。
  スニーカーより小さい子猫に,好きな人の名をつけた…

  ふみとヒロは,妹と私の“青春の象徴”でした クローバー

おもかげ

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  猫 桜が咲き始めた頃から,
  時おり,ネットで猫の動画を観ている。

  ふみの生前には,確かそんな事はしなかったよなぁ。
  目の前で,「ナマ動画」が展開されていた訳だから。
  悔やまれるのは,それを録画しておかなかった事。

  パソコン デジカメで撮ったもの,携帯で撮ったもの,
  ふみの写真はPC内にけっこうな数が収められている。
  でも,ふみは写真ぎらいだったから,
  残っている写真の倍以上は撮影に失敗しているのだ。
  一瞬の表情やポーズを捉えるのが難しい被写体。
  ならば,ビデオで撮っておくべきだったのかなぁ… ムービー

  動画を観ていて,しょっちゅうドキリとするのが,
  猫の瞳。もっと具体的に言うと「瞳孔」。
  ふみはいつからか,瞳孔が収縮しなくなっていた。
  年齢を重ねると,こういう変化も出るんだろうか。
  少なくとも,14歳の時には既に,瞳孔の開いた
  「黒目がち」な瞳をしていた。

  子猫の頃から可愛かったけど,
  「婆さんになっても愛くるしいな~(親バカ)」と
  魅せられていたのは,多分にこの瞳のせい。
  昨年5月,悪性腫瘍の診断を受けた病院でも,
  ドクターが「このコの眼は…」と驚いていた。

  犬猫 私は,猫も犬もどちらも好きだ。
  この空洞を埋めるために,
  また動物と暮らすのがいいんだろうか。
  いや,今はまだダメ。
  それをしたら,新しいパートナーにも
  ふみにも,失礼になる気がする。
  こんな負の精神状態のままじゃ… 大波

深紅

  本 引越しの度に処分せず,生活を共にしていた本だと
  なかなか捨てることができない。
  読み返さないでいる本が大半を占めるものの。

  これが,21世紀に入ってから買った本だと,
  けっこう思い切りよく捨ててる。
  「時間の無駄だった~」と嘆くような作品はもちろん,
  2~3度読み返した本でも,未練を持たずに処分。
  まぁ,後になってものすごく読みたくなったら,
  その時にまた入手すればいいしね(非エコだが)。

  野沢尚の『深紅』も,先日“2回目”が済み,
  そろそろ手元を離れるところだ。

  読み直して解ったことがある。
  自分がこの作品に食いついたのは,
  実際にあった一家殺人事件を想起させる,
  猟奇的な要素なんだろうと,これまで思ってた。
  “2回目”を経験したら,ちょっと違った。
  自分の心にシグナルとして届いていたのは,
  「生きててごめんね」という主人公の苦悶だ。
  家族を喪った悲しみよりも,実は大きいかもしれない,
  「生き残ってしまった哀しみ」。


  卑屈に生きながらえていると,
  どんどんいろんなものが離れていく。
  指の間をすり抜けてゆく。

  ごめんねぇ…ふみちぃ… 猫

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水無月の記憶

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  雨 九州・東海地方での梅雨入りが報じられていたけど,
  私にしてみれば,5月の後半からもう『梅雨』だよ。
  気温が低めでも,湿度にあてられて頭の中が重くなる。
  いや~な“じんわり汗”を,絶え間なく拭い続ける時季 ドクロ

  去年の6月の記憶が,曇天に呑みこまれたように
  浮かび上がってこない。
  簡単な日記を長年の習慣でつけているけれど,
  去年の6月のページは,ほぼ白紙に近い。
  いつもなら記しておく,職場での勤務時間さえ記載ナシ!
  何やってたんだぁ~

  6月は,嵐のドームコンサートに行った。
  そして,親友宅でふみの病気について語り,泣いた。
  どうやって生きてたんだぁ~

  家 ふみと部屋に居たんだ。
  週1ペースで病院に行き,部屋に戻っては泣いた。
  でも,ふみはまだ元気だったと思う。
  大きくなり続ける右眼で,まだ動き回れてた 猫

時は流れて…

  星 ふみが逝って,3か月経ったということだ。

  “月命日”という(追悼の)姿勢に,
  これまであまり共感できないでいたのに。
  不思議なもんだ。
  「ひと月ごと」の区切りは,少なくとも
  今(一周忌まで)は重要な気がする。

  来月は,弟の命日と「ふみの月命日」が重なる。

  6つで逝った弟は,猫をとても愛していた 猫
  ふみが弟と合流して,
  その庇護のもとにいてくれたなら,安心する。


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末期の水

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  病院 ギックリ腰になったのは,
  ふみが逝って2か月が過ぎた時だった 猫

  妹や知人・友人が経験しているモノなので,
  ひとまず“他人事”ではないつもりでいた。
  ある知人は,営業の合い間に,
  停車していた車の中で,転がり落ちた携帯を拾おうとして,
  上体を曲げた瞬間“ギックリ”に襲われたという。
  そのエピソードを聞いた時,思わず笑ってしまった。

  自分がやっちまった時,
  「あそこは笑うところじゃなかったよなぁ…」と
  改めて反省した。
  身体のどこかをほんの少し動かしても,
  激痛が走って汗が吹き出てくる。
  発汗が続くうちにノドも渇いてきた。
  痛みに身をよじらせながら,
  ミネラルウォーターのペットボトルに手を伸ばす。
  各種必需品が,手の届く範囲に配置されててよかった
  (要は散らかった部屋ということだ) 笑い

  口元にペットボトルを運ぶにもひと苦労だったが,
  水が口内からノドに,ほんのひと口分流れるだけで
  生き返ったような気分になった。
  “救われた”と言い換えてもいいかもしれない。

  ふみの最期を思った。

  最後の最期に,スポイドで水をあげたんだ。
  たくさん彼女に話しかけて,
  それ以外にできる事は,水を飲んでもらう,
  ほかにはもう何も思いつかなかった。

  口元がこわばっていたけれど,
  ふみは確かにひと口,水を飲んでくれた。
  水が口の中を湿らせて,ノドを落ちていった…
  そう思う。

ブラックアウト

  家 おとといの夕方,妹が遊びに来てくれたんだが,
  途中から記憶がない。

  熱燗 酒を呑んではいた。
  アルコール度数の高さを求めていくうちに,
  今は部屋でも居酒屋でも焼酎がメインになっている。
  確かにおとといも,25度の麦焼酎を呑んでいたよ。
  でも,“予兆”らしきものが何もなかった。
  酔いつぶれるのにも,段階があると思うのに,
  「落ちていく」自覚や,過程の記憶がまるでない。

  んはてなと気づいた(覚醒した)のが22時で,
  妹の姿はない。TVでは『スマスマ』が始まっている。
  TVをいつ点けたんだろう テレビ
  一昨日の『スマスマ』は,謹慎が解けた草薙剛くんが
  ようやく戻ってきた放送だった。
  涙を見せないツヨポンが印象的だ。
  滝水に打たれた後のような,清廉な表情に目が釘付けになる。

  昨日おそるおそる妹に確認したら,
  私がひどく眠そうだったので早めに辞去したという。
  玄関で妹を見送ったらしい…
  え゛~っびっくりはてな 憶えてないよ,まるで カエル

  3年ほど前から,まずいことになってきている。
  酔いが回ると,前ぶれもなく眠りに落ちてしまうのだ。
  まぶたのシャッターが唐突に下ろされたように。
  これは,もっぱら自室で呑んでいる時に出る悪癖だけど,
  最近は外で呑む場合も少しあやしい…
  意識を保ってるつもりでも,
  後で振り返ると記憶が途切れ途切れだもん。

  3年前の今頃は,鍋を幾つも焦がしてたなあ。
  煮物を始めてから,昏倒しちゃって… ZZZ
  短時間で目覚めたから大事に至らなかったものの,
  ほんと,ご近所にも被害が及ぶところだよ。

  今は,呑む時に料理はしないようにしています。

  鍋が焦げる臭いで慌てて跳ね起きた時も,
  ふみは,私の横で眠り続けていたのだった 猫


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