文世さんに逢いたい

「婆猫ふみちゃんのスローライフ」を綴りたくて、 2004年から始めたブログですが、
ふみは2009年3月に19歳10か月で逝きました。

2010年05月

泣きそうな顔

 一冊の本が届けられた。
『猫とくらす』― 私と同様に,
この本を今手もとに持つ人は沢山居るだろう。
内容は,猫と暮らす(接点のあった)人々の投稿で
構成されている。写真とエピソードが詰まってる 

先月末に「本を進呈します」とメールがあり,
そういえば猫サイトに投稿したなぁと,思い出す。
すっかり忘れていた。
投稿者には全員無料で配布するという知らせだ。

今日届いた本を手に取り,その成り立ちを再確認。
昨年11月から今年2月末までに,
Cat-and-Me.comへ投稿されたモノをメインに
編集されている。けっこう分厚くて350頁くらい。

投稿者=掲載者ではないらしいので,
「猫の写真集」のつもりでページをめくる。
犬猫に限らず,動物の写真って大好きなんだよねぇ。

 ラフにページを繰っていたら,
唐突にふみの顔が現れた。
あ…この写真を送ったんだ…よく憶えてない 
エピソードも併せて投稿したけれど,
そちらは採用されなかったようだ。
写真ページには各種タイトルがつけられてるのよね。
ふみの顔のどアップは
「泣きそうな顔」に分類されてた。

そうだねぇ,ふみ。
いつも不服そうな表情だったもんなぁ。
「愛を独占したい」「独りで居たくない」って気持ちが,
彼女の心全体を構成していたから… 

過去日記~'08年6月―7月~

 五月ふみの日。
東京競馬場でオークス(優駿牝馬)が行なわれる。
一昨年は,ちょうどふみの癌が発覚した直後で
とてもじゃないが出かける気になれなかった。
16年間,欠かさず観戦していたのだが… 

  2008年6月19日 『たんぽぽの綿毛』

   昼前に,文世さん用の缶詰等を買いに出かけた。
   商店街に出る手前のところで,
   吹き渡って飛んで来る,たんぽぽの綿毛とすれ違う。
   梅雨真っ最中のこんな時季に,
   たんぽぽは種子を飛ばすのだろうか 曇り

   文世さんに腫瘍の診断が出た時から,もう1か月になる。
   あの日は,初夏らしい爽やかな風が吹いていた。
   血液検査等の結果を待つ間,病院の外へ
   猫カゴごと文世さんと出ていたら,
   たんぽぽの綿毛が近づいてきたね。

   4年前,まともに“失業”のストレートパンチを食らってから,
   よく口にしているフレーズが,
   『ふみは私の“人生の空き地”に咲いた,一輪のたんぽぽだ』

   文世さんが綿毛になって空に飛んでゆくまで,
   それを見届けるのが私の使命だ。
   だから,自棄を熾すまい。
   私がしっかりしていなけりゃ,どうするよ…


  2008年7月3日  「文月は『文世さん月間」』

   誕生日である5月1日が最大の“祭り”だけど,
   名前に通じるものがある“文月”も,
   私にとっては大切に思えるな。

   高温多湿が天敵なので,
   毎年ほぼくたばっている自分
   でも,長毛&多毛の文世さんだって,
   猛暑はツライに違いない…。

   去年も3年前も,体調崩して病院通いになったのは
   やっぱり6月~7月だしねぇ…
   腎不全だけでも命取りの負荷なのに,
   今年ときたら,更に癌の宣告ですよ。

   人生泣き笑い劇場だよね。

   今朝も病院に行ったけれど,
   もうドクター側からプラスできる治療もないみたい…

   だけど,文世さんは生きようとしてる。
   最後まで,つきあうよ。
   ずっと,一緒だよ

  2008年7月8日 『昨日見た夢』

   文世さんの夢を見た。
   近しい関係者は滅多に夢に出てこなくって,
   そういえば,故・ヒロも登場した事がないと思う。
   就寝中,気がつくと枕の横で
   ゴロゴロいってる文世さんのことだって,
   夢で見た実績はないはず… 猫

   文世さんの右側の額と顎から,
   しこりが殆どなくなっていた。
   「どこまで出目になるんだろ…」と不安だった右目も,
   ほぼ以前の状態に戻っていた。
   「やったっexclamation 治療の効果が出てきたんだね」と,
   嬉しくてしかたがなかった。

   目が醒めて,「おはよう」と挨拶した文世さんの右目は,
   相変わらず出っ張ったままだ。
   ゴロゴロいう彼女を撫でる私の手が,
   右側の額と顎のコブを確かめてしまってる。

   落胆しない。
   “正夢”だって信じることができる,今の私には。
   どんな“契約”だって交わせるよ。

  2008年7月31日  『ポケモンスタンプラリー2008』

   昨年より更に湿度が増している今夏 たらーっ(汗)
   さすがにしんどいなぁ,今年は諦めようかなと考えていた。
   文世さんの病状が,何時どう急変するか判らないし。

   でも,第1回からずっと10年続けている“夏の旅”を
   中断する事もまた,過去・現在・未来を繋げて描こうとするとき,
   決して好い決断だとは感じられなかった。

   躊躇していた分,スタートは遅れた。
   26日(土)からイベントは既に始まっているからね。

   睡眠は足りていなかったけど,電車で移動中は眠らなかった。
   ずっと,窓外に広がる風景に放心してた。
   同じ景色,同じ風には二度とめぐり会えない。
   今自分も,二度と邂逅できない“奇石”を喪う時に至っているのか。
   あの,貴い二つのエメラルド。
   文世さんの瞳が…

過去日記~'08年5月・6月~

 2年前のこの日
ふみは悪性腫瘍と診断された。
以来,どうしてだかブログに向かう事ができず,
代わりにmixiのほうでポツポツ
記録を残している 

  2008年5月5日  『平成の女』

  5月1日に文世さんは,
  19回目のバースデーを迎えることができました。
  平成元年生まれの彼女が,平成20年を生きている…
  感無量です。
  「目指せ!ハタチ」「猫又になろう♪」
  と,つい欲が出てしまうものですが,
  彼女の(ほとんど視力を喪っている)瞳を見つめていると,
  「今日と明日とを一緒に生きてほしい」
  そんな想いだけで胸がいっぱいになってきます。
  明日,1週間,1か月…と一緒に過ごす時間が積み重なって,
  結果的に今年から来年に橋が架かり,
  次の誕生日がやってきたらいいと,そう思うのです。

  祈りが(私のだけじゃなく,もちろんいろんな人々の)
  天に届きますように 


  2008年6月6日  『駅』

  幾人かの人には,お知らせしたのだけれど
  文世さんは,癌にかかっている。

  異変に気づいたのは,彼女が19の誕生日を迎えてくれてから
  約1週間後。
  彼女は,毛づくろいも爪とぎも下手である。
  後足の爪で額や首筋を掻くとき,勢い余って
  まぶたの際まで爪の先っぽを入れてしまう事が少なくない。
  そうすると,目のほうはしばらく痛そうに,小さくなっている。
  たいてい左目のほうがそうなる。
  今回も,左目が小さく見えて「あ,またやったな」と
  はじめのうちは思ってた。気楽に考えてた。
  でも,左目が小さくなってるんじゃなくて,
  逆に右目が大きくなっている事にやがて気づく。
  大きくなる…いや,大きく見えるんだ。
  それは,眼球が少し飛び出しているから。

  不安な気持ちになったものの,あまり重大視しなかった。
  長寿猫と暮らすのは初めてだったから
  (子供時代から,のべ何十匹もの猫と暮らしてきたけど
   たいてい,10歳前には永眠していたので),
  異変があっても,「なにしろ高齢だからな」と
  それで片づけていた。悪い意味で,
  変化に対して鈍感になっていたんだ。
  変化=老化の顕れと。

  文世さんの額にしこりがあるのに気づいて,
  動物病院に足を運んだのが先月22日。
  額に腫瘍があるそうです。悪性だそうです。
  腫瘍が眼球を圧迫しているために,
  文世さんの右目は出目状態になってる訳だ。

  「出目たんのふみたんも可愛いよ」
  超高齢であるがゆえに,手術も抗がん剤治療も避け,
  “免疫療法”に縋るようにして,日々を送っています。
  一日一日が砂時計の砂のように落ちてゆく。
  痩せて(これは急激な変化ではない)出目の文世さん。
  不思議に雰囲気は変わらないの。
  『婆猫スローライフ』を続けていく気持ちのまんま。
  じゃあ,人間が諦めちゃダメだよね。

  3年前の夏,腎不全の診断を受けたとき,
  文世さんのたどり着く“駅”が見えてきた気がした。
  ただそれは,遙か先で霧に包まれていて,
  果たして終点なのか,通過駅にすぎないのか,
  はっきりとは判らなかった。

  今見える駅は,以前より輪郭が出てきている。
  あれが…文世さんの降りる駅なのかな。
  まだ旅を続けよう,文世さん。
  ホームに降りるときは,一緒だよ。  

悪魔が近づかない

 5月の誕生石はエメラルド。
一度も身に着けた事はないけれど,
一番近くにエメラルドは存在していた。
ふみの瞳。

マツキヨのデジマガによれば; 
エメラルドは数多くの神話に登場し,
“護符”としての力を宿すと考えられていた。
中世ヨーロッパでは,エメラルドがある場所には
「悪魔が近づかない」と信じられていたという…

― だから,瞳をつぶしたんだ。
ふみのエメラルドを取り除きやがった…

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おするばん

  1泊2日で出張してきた。
 初めての経験だ。しかも正社員じゃないしね。

 最大の懸案事項は,おわかりだろう。
 平日10時間程の留守番を嫌がる,大野くんだ 
 彼がなついている友人に,ひと晩だけ世話を頼み,
 不安を抱えながら(仕事に,留守宅に)旅に出た。

 出張先での仕事は,先方の行き届いた配慮により
 順調に進んだ。良い報告書を作成できそうな手応え。

 そもそも「遠慮する事をしない」性分なので
 (人見知りなのに,人間嫌いなのに),
 相手が厚意を示してくれた場合,まず断らない
 (「断れない」のとは違う。相性・空気による)。
 そんな姿勢で,先方の懐に喰い込んでいたら
 「もう1泊していったら?」と提案された。

 仮に宿泊を追加しても,業務に支障は出ない。
 先方が歓待してくれる事も嬉しい。

 でも,大野くんが独りで居る時間を延ばせない…!
 正直に事情を話したら,先方も納得してくれた。
 「猫には敵わないなぁ。縁談には興味がないのに,
  猫との“縁”は大切にするんだねぇ…」

   25時間ぶりに再会した大野くんは,
 平日の帰宅時と変わらない出迎え方だった。
 ちょっと拍子抜け 

 ふみだったら,執拗に責めてきたものだが…
 呑み会で遅くなった時。西の競馬場に遠征して
 1泊してきた時など,そりゃあうるさかった 
 やっぱ「人間の女」でしたよ,文世さまは 

蛇足:「おするばん」は自分の言い間違いが直らない。
    「クロネコヤマトの宅急便」も
    「クロヤマネコトのきゅったーびん」で定着です。

                               05-03-30_21-47

       早朝,競馬場に向かう私を睨む文世

屋内が好き

今日は,自分がこの世に吐き出された日。
こう言うと母親は悲しむだろうなぁ。
でも,申し訳ないけど,一生感謝する事はない…

ベランダを少し掃除した。
ふみの居場所だった,かつては。
去年の3月から全く手をつけてなかった。
洗濯物は基本的に「部屋干し」だし,
真夏,たま~に布団を干しに出たぐらいかな。

顧みないまま一年を流しきって,
 ボンちゃん(サボテン)たちに
すまない事をしてしまった,ホントに。

ほうきで掃いていたら,大野くんが出てきた。
玄関のドアを開けても,興味は示しながら
決して外まで行こうとはしないのに。
ベランダなら,部屋と繋がってる気がして,
少しは大胆になれるのかな?

でも,そんなに長居もしないんだ。
やっぱり屋内が一番いいみたい。
不安要素を減らしてくれる場所なんだね。
そう。私もおんなじだよ,大野くん 

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21歳

 文世さまのお誕生日であります

ふみの鼓動は19年10か月で
停まったけれど,彼女の何かがまだ
微かに時を刻み続けているような気がするんだ。
月並みな表現だと;
「心の中でキミは生きてる」ってやつかしら。

― ふみ お誕生日おめでとう ―
声に出して呟いてみる。
涙は出ない。
たぶん来年は22歳になり,再来年は23歳…
そうやって,しばし彼女の誕生日は続くと思う。


fumi-jan

  ずっと一緒だよ…ふみ

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