オフィスから廊下に出た。
小ざっぱりとキレイなビルだけれど,
建てられた時期が旧いからなのか,
どこの窓も大きく広いところが気に入っている。
廊下は遮るモノなく,やや長めの直線。
その先に開いている大きな窓の向こうに,
梅雨でも夏でもない光が見えた。
窓の外側いっぱいに光が待っていた。
考えるより前に足が動いて,
窓を目がけて駈け出していた。
5階だから「失敗する可能性」が高いけど,
勢いをつけて跳べば…!
…こんな精神状態なのかもしれないな。
窓枠の数歩前で,不様にブレーキを
自分はかけてしまったけれど,
魔法が解けなかった人は,きっと跳ぶんだ。