気持ちの優しい大野くん

  大変ご無沙汰しております。
  ブログを更新しなくては! あれも報告しなくっちゃ!
  そう心で想い、焦るだけで結局季節が流れていきました。


  10月8日(火)の未明から、大野くんは行方が判らなくなっています。
  昨年の6月に丸2日帰って来なかった事件がありました。
  今回は、既に3週間以上経っているのです。

  問い合わせや照会のできる役場・機関には電話を入れ、
  【迷い猫を探しています】チラシを作成して、
  大野くんのかかりつけの動物病院とペットショップに、
  掲示をお願いしています。

  動物が嫌いな人、地域猫の存在を不快に感じている人も
  少なくないため(私の被害妄想ばかりでもないようで)、
  情報収集には配慮と勇気が必要でした。
  「このお宅なら、猫探しに理解を示してくれそう…」と
  狙いを定め、チラシを持ってインターフォンを押しました。
  ご近所づきあいを嫌う、この私が。

  接触できた方々は、快く協力依頼に応じてくれた上、
  励ましてくださいました。

  しかし、現在まで、良い情報が入ってこないばかりか、
  悪い情報すら何も、手がかりが見つかっていません。
  つくづく、私という人間の“徳”の無さが顕れている…

  いったい、あの夜、大野くんの身に何が起きたのでしょう。
  時間は、かなり特定できます。
  日付が変わった8日の0時半に、私は寝ついています。
  いつもなら、朝の5時ぐらいまでの間に最低2~3回、
  大野くんは私の顔をなめたり鳴いたりして、
  「手からシーバ」「ブラッシング」を要求するのに、
  あの日は5時にぼんやり目覚めるまで、何もなかった。
  つまり、午前1時~3時の間に外出したと思われます。

  ここで、大野くんが夜間の外出に及んだ理由、
  事情について、説明させてください。


  5月の下旬、友人が公園で保護した仔猫が、
  家族に加わりました。生後約1か月弱、340グラム。
  ヘルペスウィルス感染症により、充血した片眼が
  殆ど潰れたようになっていて、くしゃみも止まらない。
  でも、病院で処方された抗生物質と点眼薬のおかげで、
  眼はきれいに治り、くしゃみも治まって、
  みるみる元気に成長していってくれました。

  友人の希望で『ミライ』と名付けられた、その仔を
  実の妹のように可愛がっていたのが、大野くんです。
  「一緒に居ると感染してしまうから、できれば隔離して」
  と獣医さんに注意されていたけれど、大野くんは
  仔猫の面倒を率先してみてくれました。
  実際、やっぱり感染しちゃって、
  苦手な病院通いを余儀なくされた大野くん。
  公園で夜中に震えていた仔猫にしてみれば、
  どんなに安心できたことか…

  生後2か月には、早くも部屋を脱走したり、
  怪獣のように暴れまくるミライを、
  大野くんは精一杯サポートして、この夏は
  相当疲れたでしょうね。
  丹念に毛繕いをしてやったり、ミライの行動に目配りする姿は、
  微笑ましいというより、涙ぐましいものがありました。

  簡単な説明ではなくなっていますね。
  すみません。

  うちには、第三の猫、黒絵がいます。
  居間のカーペットや布団の上で寛ぐほど、
  飼い猫らしいところも増えてきましたが、
  どうしても、“野良”の部分は譲れないようです。
  彼が不安にならないよう、出入り専門の窓は、
  24時間365日開放したままですから、
  活発なミライが黒絵の行動を真似して、
  屋外に出ていくことはそもそも可能性として有った。
  なのに、防止できずに、外出癖をつけさせてしまった。
  ここは、「動物にしつけができない」私の失敗です、痛恨の。

  黒絵と同居するようになってからも、基本は部屋にいたい。
  大野くんにとって、それほど屋外は魅力的ではなかった。
  現に、窓から出ていく時は、ミライが外出して、
  それを「危なっかしいな」と渋々追っていく。

  黒絵は半野良でやむを得ないけれど、
  大野くんとミライは室内猫として、せめて夜間だけは
  外出できないようにしたくて、9月の終わりから
  防止策を実行し始めたところです。
  開放窓に通じるスペースの扉を、明け方までは閉じる。
  つまり、黒絵は5~6時間、別スペースに締め出される訳だけど、
  夜間行動がメインでもあるのだから、ここは呑んでもらおう。
  外が大好きなミライにも、1日の4分の1程度は我慢してもらう。

  それが、あの日。
  どうしても出なければならない打ち合わせがあり、
  めずらしく私の帰宅が遅くなったのです。1年ぶりくらいに。

  22時半。お腹を空かせまくった2匹にご飯を出し、
  「満腹より愛情」の大野くんの機嫌をとりつつ、
  2時間ほど3匹たちと過ごしました。
  何も変わったところは、なかった。
  ただ、外に通じる扉を、億劫がって閉めずに床に就いてしまった。

  5時に目が覚め、部屋には黒絵とミライの姿がありました。
  外から帰ってきたばかりという雰囲気です。
  大野くんの姿が見えないので、「あれ、お兄ちゃんは?」と
  声に出して尋ねました。
  大野くんが先に戻ってくる事はあっても、その逆は稀です。

  結局、出社の支度をしている間も、大野くんの姿は見えず、
  胸騒ぎを覚えながら、その日の夜、部屋のカギを開けたとき、
  いつもならドアのすぐ向こうに控えている筈の大野くんが
  居なくって、絶望しました…
  

  新しい猫が加わった場合、先住猫が体調を崩したり、
  家出してしまう事は、めずらしくないといいます。

  確かに、人間の愛情を独占できなくなった生活に、
  気持ちの優しい大野くんだって、
  少なからず不満は感じていたでしょう。
  その懸念事項は、ミライが来た5月から常に、
  私の頭にあり、フォローを心がけてきたつもりでしたが、
  結果として、大野くんにはツライ思いをさせていた…?

  大野くんが、この部屋を捨てるのか。
  愛情不足の私を見限るのか。
  彼の気持ちは、彼にしか解らない。

  7か月ぶりの更新が、このような報告になり、
  胸が潰れそうに苦しいです。

    以前にコメントしてくださった、ねこ友さま。
    放置したままで、本当に失礼しました。
    後日、必ずお返事しますので、ご容赦ください。