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  猫 桜が咲き始めた頃から,
  時おり,ネットで猫の動画を観ている。

  ふみの生前には,確かそんな事はしなかったよなぁ。
  目の前で,「ナマ動画」が展開されていた訳だから。
  悔やまれるのは,それを録画しておかなかった事。

  パソコン デジカメで撮ったもの,携帯で撮ったもの,
  ふみの写真はPC内にけっこうな数が収められている。
  でも,ふみは写真ぎらいだったから,
  残っている写真の倍以上は撮影に失敗しているのだ。
  一瞬の表情やポーズを捉えるのが難しい被写体。
  ならば,ビデオで撮っておくべきだったのかなぁ… ムービー

  動画を観ていて,しょっちゅうドキリとするのが,
  猫の瞳。もっと具体的に言うと「瞳孔」。
  ふみはいつからか,瞳孔が収縮しなくなっていた。
  年齢を重ねると,こういう変化も出るんだろうか。
  少なくとも,14歳の時には既に,瞳孔の開いた
  「黒目がち」な瞳をしていた。

  子猫の頃から可愛かったけど,
  「婆さんになっても愛くるしいな~(親バカ)」と
  魅せられていたのは,多分にこの瞳のせい。
  昨年5月,悪性腫瘍の診断を受けた病院でも,
  ドクターが「このコの眼は…」と驚いていた。

  犬猫 私は,猫も犬もどちらも好きだ。
  この空洞を埋めるために,
  また動物と暮らすのがいいんだろうか。
  いや,今はまだダメ。
  それをしたら,新しいパートナーにも
  ふみにも,失礼になる気がする。
  こんな負の精神状態のままじゃ… 大波