うちに来て10日のミライ



     あくまで個人的な感覚で書くのですが;
     「おうちが欲しくない」猫は殆ど居ない、と
     私は考えていました。

     人の輪に積極的に入り込んできた、
     警戒心の薄い大野くんを家族に迎え、
     ご飯を求めて来る常連だった黒絵を部屋に入れる。
     ―― ふみが逝った後、それまで以上に野良猫に関心を抱き、
     彼らの存在から目を離せなくなった自分は、
     「みんな、好きで野良生活を送っている訳ではないんだ」
     と受け止めたのです。

     誰だって、おうちが欲しいよ。
     空腹を満たすだけでなく、安心して眠れる場所が必要な筈だ。
     
     


うちに来て1か月弱のミライ



     自分のそんな捉え方が、すべての猫に当てはまるとは限らないみたい。

     3年あまり毎日欠かさず“餌やり”を続けている友人によると、
     公園で待っている常連の中には、元・飼い猫も居るそうです。
     しかも、元・飼い主が現れるとプイッとそっぽを向いて逃げちゃう。
     捨て猫→家猫→野良、そういう経歴の持ち主なのかな。

     「親子三代野良猫」という系譜も当然在るだろうし、
     自ら外で生きる道を選んでいる猫も居るのでしょうね。


     そうかぁ…ふみや大野くんのように粘着質な猫と暮らしてきたから、
     世間一般の「猫は自由で気まま」という定義に、つい反発しちゃった。




七夕の夜のミライ



     ↑ 七夕の夜のミライ。
     外に遊びに行ったのかと思いきや、ひとりで寛いでます。
     このカーテンの裏にあるガラス窓は4分の1ほど開いていて、
     もともとは、黒絵専用の出入り口だったのですけどね…


     ミライが来て1か月も経たない頃から、
     私は、「この仔はおうちが欲しかった猫なんだろうか?」と
     度々考えることになります。

     ご飯と寝床さえ確保されていれば、あとは『自由』が最重要。
     『家庭』は必要ないという生き方を、ミライの日常に感じてしまう。


     まあ、怖い物知らずの怪獣で、若かった幼かったから…


     お兄ちゃんである大野くんが行方知れずになり、
     自分はその翌々日に、「剃り被害」(誰かに口元剃られまして)に遭いながら、
     まだまだ、睡眠時間を削ってでも外で遊びまくってたお嬢さまです。



     

3ショットうちに来て1か月のミライ




     10月下旬に避妊手術を受け、その後の安静期間をきっかけに、
     何が何でも、ミライのことは外に出さない事に決めました。

     これは、ミライにとってだけでなく、私自身にとっても“ストレス”です。


     こんなに世の中がコンクリートとアスファルトだらけになり、
     つまり、人間と動物の関係も変化を余儀なくされているのに、
     私は今でも、猫が(犬も)のんびり野外で過ごしている情景を、
     当たり前のように目にしていたいから。


     ごめんよ。人間社会の都合で。



     外出厳禁になってから、もう5か月。
     キャットタワー程度じゃ、怪獣のストレスは発散しきれないよねぇ。
     プロレスごっこの相手をしてくれてたお兄ちゃんも戻っていないし。


     ただ、つまらない上に寒いからか、
     人間相手に甘えるようになったミライです。

     ご飯も大事だけど、「私を見て~」「ちゃんと遊んでよ!」と、
     大野くんと要求が同じになってますね。


     おまえのおうちは、ここだから。
     お兄ちゃんのおうちでもあるから。


     あ…春を過ぎて暑くなったら、どうしよう。
     これが今から頭を抱える問題でして…