文世さんに逢いたい

婆猫ふみちゃんが逝って、もう15年。
今は自分が人生休止中。ミライは10歳シニア猫です。

派遣歴長し。
限界を感じました。

動物愛護管理

冬を生きる

   そういえば、
   猫の死骸って見かけないわよね。
   案外、外で生きていけるもんなのね、
   きっと。

   ――誰かが昔言ってたなあ。
   今なら、次のように答えたい。

   それはね、猫や犬の死骸は、
   通報を受け次第、自治体清掃局が出向き、
   回収してしまうから。
   だから、けっこう人目に触れないまま、
   煙になってゆくのですよ。   

   のっけからゴメンナサイ。
   死骸なんて言葉で始めて。

   私もね、偉そうな事は言えない。
   大野くんの捜索過程で、
   初めて知った事は多いんだ。

   冬の真夜中と早朝、
   亡くなって間もない猫を、
   路上で見つけ、清掃局に知らせた。
   あのコたちは交通事故に遭ったのだろう。
   事故ではなく、寒さと飢えで、
   衰弱して力尽きる猫たちも多い筈だ。

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    「野良猫の平均寿命は2~3年」
    先日ネットで見かけた記事にそうあって、
    一瞬「え?」と反論しそうになったけど、
    考えたら、平均するとそのぐらいだな。

    友人が毎晩公園でゴハンをあげ続けている。
    何匹もの猫たちの中で、
    出会った時既にシニアだったメス猫とは、
    実に8年以上のつき合いが続いたのだった。

    確実に栄養補給(水も)できる場を持ち、
    可能なら、一つではなく複数の営業先を確保、
    脅かされる事なく眠れる隠れ家が在る事。
    ――上記の条件が、猫が外で生きてゆく為に、
    必須である。
    言い換えると、この条件を満たせない場合、
    外で生き続けて行く事は難しい。


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    2年前、最期の黒絵を診察した先生は、
    「完全家猫になって6年。
     推定12歳まで生きてきたこのコは、
     十分に幸せだったと思いますよ。
     外で生きる猫は、人知れず、
     野垂れ死にしているのが現実なんです」
    と語った。
    先に書いた「野良猫の平均寿命2~3年」は、
    獣医さんの経験からも裏づけられるんだろう。

    私の部屋に押し入って、
    安心して眠れるようになった事は、
    黒絵の寿命を延ばしたに違いない。
    浅い眠りの連続でも、
    睡眠時間は猫にとって生命線だから。

    完全室内飼いに移行してからは、
    ルーティンになっていた嘔吐も激減。
    猫の自由な精神を尊重できない、
    「外出禁止」だが、黒絵の場合、
    外で他の猫や人間と接する事が
    (猫を忌み嫌う住人から投石されてた)
    相当ストレスになっていたと思われる。

       
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    前述の「餌場の確保」に関しては、
    人間のほうも日々苦戦している。
    地域猫ボランティアの方々は、
    周辺住民からの苦情を最も怖れ
    (保身ではなく、あくまで猫のため)、
    「置き餌はしない」「短時間で全猫対応」
    を心がけている。のだが……

    地域猫活動に携わっていない自分は、
    「外猫の命を心配しているのに、
     現実には行動に移していない」
    という引け目が常に在る。

    しかし、黒絵のTNRをした人と、
    大野くんの捜索過程で偶然知り合い、
    「あの黒猫、ずっと見ないな~って
     心配してたけど、あなたが
     家族に迎えてくれていたのね。
     ありがとう」と云われて、
    胸が熱くなった。
    「私なんて、2匹養うだけで精一杯で、
     毎日奮闘する皆さんに申し訳ない」
    と萎縮していたら、衝動的に保護した猫
    (イオ。ミライの天敵)について、
    「譲渡会で里親さんが見つかるまで、
     大切に保護してくれてるあなたは、
     とても良い事をしているのよ」
    と励ましてくれた。

    自分にとっての最後の宝物、
    ミライの事は護りたいです……

太陽が出ていても…



    雨が少なくっても、梅雨は梅雨なのでしょうか。
    気が晴れない現状ではあります。

    7日の夕方に、降ってわいたような捨て猫の鳴き声。

    結論から言うと;
    約2日後に、町内の「猫の達人」さんの出動により、
    鳴きながら彷徨っていた仔猫は無事に保護され、
    今は安全な屋内で“里親さん”を待っています。

    
    ミライを保護した時と同じような鳴き声を耳にした時、
    「飼えなくても、ひとまず保護を」と考えました。
    マンション住民に快く思われていないため、
    これ以上猫を増やす事は、たぶんできません。
    でも、一時的に「保護部屋」を提供することは、
    可能なのではないか?
    ―― これは、少し前から考え始めた事です。

    幼い捨て猫は、時間が経てば経つほど、
    保護しづらくなるものと思われます。

    現に、今回の捨て猫は、びっくりする程スピーディーに
    近隣を移動していました。
    目撃した人も「とてもすばしっこくて、捕まえるのが難しそう」
    と言っていましたから。

    時間の経過に従い、
    人間が捕まえにくくなる、仔猫は警戒心を強めるばかり。
    そうこうするうち、仔猫は衰弱してゆくか、事故に遭う…
    ――といった、想像ではない、厳しい現実が待っています。

    それらの危険な可能性を考えれば考えるほど、
    胸が締め付けられて、しばらくの間落ち着きませんでした。

    そんな私の悶々とした空気を感じ取ったのが、ミライ。
    仔猫の甲高い鳴き声は、部屋の中に居ても聴こえたので、
    当然、ミライも外の“異変”に気づいています。
    癇癪持ちの彼女が、更に機嫌を悪くしているのが、
    伝わってきました。

    結局、はじめに書いたように、
    仔猫は「猫の達人」たちの保護下に入ったけれど
    (私は声のみで、“対面”に至っていません。
     顔を合わせていたら、情が移ってしまったかも…)、
    その前の段階で、私が捕獲して部屋に入れていたら、
    ミライがすごくイヤがったでしょうね。

    もともと、この部屋に君臨する女王様なのだから、
    そこらへん容易く想像できる筈。
    仔猫の「SOS」に平穏でいられなくなった私は、
    ミライさまのお気持ちを忘れておりました。




遊び疲れた…




    「一時保護」にしても、ミライの性格を考えると、
    この部屋に新入りを迎えるのは難しいかもしれない。
    はからずも、それを知ることになった出来事でした。


    そうそう。
    仔猫は、7日の夕方、車で運ばれて、
    公園の端の所でささっと棄てられたんだと思う。
    非常に素早い動きで去って行った人間(たち)。

    
    動物の遺棄は、犯罪ですよ。

    「動物の愛護及び管理に関する法律」第四十四条三項





ジョーカー

2014年3月21日15時




     黒絵は、“ジョーカー”だ…


     そう口に出して言ったのは、先月でしたが
     (たぶん、「初めて」と自分で思っているだけかも…)、
     心の中では、だいぶ前から何度も呟いていました。



     ジョーカーは、トランプで「最高の切り札」にもなるらしい。

     でも、トランプ遊びはもっぱら「ババ抜き」だった自分には、
     その“ババ”のイメージしかありません。

     持っていたら厄介な札。
     敗北を余儀なくされる札。





2014年2月20日23時





     空腹を訴えて、部屋の前に黒絵が現れたとき。

     野良への餌やりで苦情を受け、
     一度は見捨てようとしながら、
     執念で部屋に入り込んでいた黒絵を見つけたとき。


     結局、常識的な判断のもとに行動できない私は、
     拒むことをしませんでした。


     だから、“ババ”を引いてしまったのではなく、
     自ら選び取ったという事ですよね…


     彼が、トラブルの火種になる存在だと、
     過去の出来事が実証してくれているし、
     将来に対しても、不安は抱えていました。


     なのに、何でもすぐに諦め、
     努力をちょっとばかりして成果が得られないと、
     「やっぱり無理なんだ」と、楽な途に落ち着いちゃう。


     すべてにおいて、自分はそうです。
     自業自得だと感じるばかりの人生です。



     

2013年6月18日







     好奇心旺盛で活発なミライが、
     黒絵の外出に興味を示して「アウトドア派」になる事を、
     危惧しながらも、防止することができなかったとき。


     その結果、もともとは野外行動を望んでいなかった
     大野くんが、ミライの監督者として
     共に外へ出てゆくようになったとき。


     ネックになるのは、常に黒絵の存在でした。
     完全室内飼いをとうに諦めていた、黒絵。



     もちろん、彼に責任があるのではありません。
     絶対。
     飼育管理者である私が、
     無為無策であった、その事実に問題があるのです。


     自業自得かあ…
     猫たちに、申し訳ない。

     ミライ、ごめん。
     黒絵、自由を奪って、すまない。


     そして、大野くん。
     ごめんね。
     本当に、ごめんね…



 

嵐の季節



     お久しぶりです。
     前回の記事から、あっという間に半月以上のブランク。


     いつも、ありがとうございます。

     そして、すみません…




20050528のふみ




     感情をむき出しにすることは、めったにありません。

     平和主義であるとか、穏やかな性質をもっている訳ではなく、
     単に、エネルギータンクが空っぽなのだと思います。


     その延長で、「言われっぱなし」である事も多いです。

     人から攻撃されて何も感じない…筈がない、さすがに。
     むかっ腹を立てたり、ダークな気分に陥りますとも!


     ただ、それで反撃に出るかというと、実行はしない。

     気持ちと行動の間には、けっこう厚い壁が在りますね。
     我慢…事なかれ主義…とは、やっぱり違う。

     心に異変が生じた後は、既にエネルギーが無いんです。


     相手にしてみれば、「言いやすい」対象だと思います。





2005年4月拳に力をためるポーズ




     そんな私が、自分でもびっくりするくらい激昂してしまい、
     相手に向かって大反撃する出来事がありました。


     詳細は控えますが、
     ふみが逝った後の当ブログを読んでくださっている方々には、
     だいたいお察しいただける事だろうと、思います。


     あんまりだなあ。
     理不尽だよなあ。
     そう思って。


     自己満足な表現を赦していただけるなら;
     あれは、“憤怒”でした。
     そして、反撃しながら両目ににじみ出てきたのは、
     “血の涙”です。

     あ。やっぱり、
     かっこつけすぎの表現だわ
 






黄色い布団とふみ






      クールに理詰めで応戦できたら理想的なんだけど、
      そこは、性能の低い自分の限界で、
      「頭のおかしなオバハン」が喚いてる形になっちゃった。
      かっこ悪かったけど、でも、自分が反撃に出た事を、
      後悔などしてはいないのです。


      それにしても、いや~な気分にどっぷり浸かった状態で、
      4月が終わり、
      大野くんが戻らないまま、7か月が経ってしまいました。


      少しずつでも、“何か”を取り戻していけるでしょうか。

      平穏な生活を、切に望んでいます。


      

未来 【ミライ】 美蕾

10/26朝のミライ

  ブログを再開したと思ったら、
  連日陰鬱な内容なので(やむを得ないけれど)、
  少しだけ明るい話題を。

  5月下旬にやって来たミライは、獣医さんの推定で
  4月25日頃が誕生日。

  もともと年内、できれば病院の年末年始休業の前に
  余裕をもって(何かあった時、病院に駆け込む事も想定し)、
  12月上旬~中旬に不妊手術を受けるつもりでいました。
  しかし、予定を2か月ほど早める事にしたのです。

  きっかけは、大野くんの事件だった。
  そう言っていいでしょう。
  何ともいえず、不安に襲われたのです。
  今、うまく説明はできないのですが…。

  生後6か月に達する、10月最後の土曜に手術を受け、
  通常1泊2日のところ
  (オスの場合日帰りですが、メスは開腹手術となる為)、
  病院にお願いして、3泊の入院にさせてもらいました。

  何故かというと、ミライを制御できる自信がなかったから。
  例によって、動物のしつけが全くできない私は、
  ミライを粗暴なまま、外を走り回る娘に成長させてしまった。

  引き取った直後から、何度か病院に通い、
  待合室で同席した飼い主さん達から、よく
  「可愛い~ 」「写真撮ってもいい?」と言われたものです。
  その度私は、「可愛いのは顔だけなんですよ」と苦笑い。

  だって体重が1キロに満たない時期から、
  4倍以上重い大野くんと、ほぼ対等に格闘してたもん。
  優しい大野くんの手加減と気遣いも解らず、超強気。
  無敵の怖いもの知らずに育ってしまったぁ… 

  大野くんが行方知れずになった後、
  完全に「夜間外出厳禁」を断行したら、怒るわ暴れるわ。
  マンション住民から苦情が殺到してもおかしくない、
  恐怖の夜が続いたのです。

  術後は当然、昼夜を問わず外出禁止。
  抜糸までの1週間、「朝昼ぐらい外に行かせろ~!!」と
  騒ぐミライを想像しただけで、戦慄が走る…。
  1週間のうちの半分を病院に委ねることで、
  私は危険と恐怖を回避しようとしたのでした。
  たとえ、自分勝手な人間と思われようとも。

  退院の日、仕事帰りに迎えに行くと、
  診察台の上で最終チェックを受けていたミライは、
  ガラス越しに私を見つけた途端、
  猛烈に怒ってましたよ。
  そのままこっそり逃げちゃおうかと、びびった…。

  部屋に帰って、入院中よりは広く動けるようになっても、
  あのエリザベスカラーってやつが、不自由ですよね。
  歩くにも食事するにも邪魔になって、
  癇性なミライは、更にストレスを増幅させていました。

  エリザベスカラーとも、あと数時間でお別れ。
  縫合した部分に異常がなければ。
  退院当日とその翌日、2日間は大荒れでしたが、
  木曜以降、不便さにも馴れていったようで、
  おとなしく眠ってくれる時間が増えました。

  ミライの耳やあごを撫でながら、
  「よく辛抱してるね。一緒にお兄ちゃんを待とうな」
  切なく静かな、ふたりきりの時を過ごしました。

  20年以上前、
  ヒロとふみの姉妹に同じ手術を受けさせた際、
  「とにかく数を増やさない」、その事で頭がいっぱいで
  (彼女たちの母親が、毎年出産し続けていた事情もあり)、
  それ以外ほとんど何も考えてなかった気がします。
  今回は…手術を決める前も、日時が決まった後も、
  少々迷い、悩みました。
  なんだか「申し訳ないな…」と思ってしまったんです。
  出産・育児による体力の消耗を防ぎ、
  長生きしてもらいたい。
  でも、結局人間の都合なのかな、と。


  ミライを保護した友人は、
  「大野くんと私たち、みんなの将来に願いを込めて」
  この名前をつけたかったそうです。
  いつか書きますけれど、私は“未来”という言葉に
  どうしても抵抗を感じてしまいます。
  そのため、カタカナで書いた名前となりました。

  母親にならないミライのことを思う時、
  “美蕾”という漢字が胸に浮かびます。

  
  

神無月に彷徨う

6月中旬の兄妹

  大野くん不在のまま、10月が終わってしまいました。

  2年前、黒絵が倉庫部屋に入り込んで眠っていた10月初旬。
  4年前、大野くんが新しい家族になった10月24日。
  10月に入った時、「今月はメモリアル月間だね」と
  明るく言っていたら、その1週間後にこんな事態になるとは…。

  困った事態に陥った時に、知る事ってたくさんあります。

  昨年6月の宵の口に大野くんが忽然と姿を消し、
  翌日の職場で、昼休みに次々と電話をかけました。
  市内の保健所・警察署、そして市役所の清掃課。
  まず最初に電話した保健所の職員さんが、
  「ほかにも、こういう所に問い合わせてみるといいですよ」
  と教えてくださったのが、警察署と市役所清掃課です。
  その2つに連絡する事を、私は思いつきませんでした。
  正しくは「知らなかった」と言うべきでしょう。

  ただ迷子になっただけでなく、車に轢かれるなど
  事故に遭った場合、その動物は(残念ながら生きていない状態で)
  管轄の役所の清掃課などに収容されるそうです。
  最悪のケースを想定し、生死の確認だけはしたい。
  躊躇や葛藤の時間をもつことなく、電話を入れると
  「数が多いので、地域を教えてもらえますか」と訊かれ、
  少なからず驚きました。
  一つの市で、毎日そんなに猫が…。
  その時は、自分の居住地および隣接エリアで
  収容の記録がない事を確認して、僅かに安堵したのですが、
  「首輪を着けている猫の場合、写真を撮っておく」という話は、
  重要に思えました。

  首輪…

  大野くんに首輪を着けたほうがいいのではないか。
  それは、彼が去勢手術を受けた後で、
  何度か考えた事ではあります。
  平均在室時間23時間半(晩年のふみと変わらない)。
  冬以外の、晴れた昼下がりにはベランダから外に出て、
  少しだけ遊んで帰って来るのが大野くんのライフスタイル。
  どんなに短時間であっても、外に行く以上は
  “飼い猫”である事が人目に判ったほうがいい。
  野外の猫の存在を快く思わない人も居る訳だし、
  ましてや大野くんは「耳パンチ」をしていないから…。

  結局、着けないままでいました。
  昨年の50時間失踪後、再検討の機会はあったものの、
  すっかり大人になってからの首輪装着に、
  人間側が消極的かつ否定的でした。
  なんだか…むしろ縁起が良くないかな、なんて考えた。
  大野くん自身が嫌がるかどうか、
  試すだけでも試してみればよかったですね。

  10月の2週目、清掃事業課に2回電話を入れました。
  照会の地域も広めに告げて調べてもらうと、
  「さすがにそこまでは行かないだろう…」という
  場所の記録ばかり。それでも念のため特徴を尋ねた時、
  「首輪をしていない猫の場合、記録として残るのは
   収容された日と場所だけ」なのだと、初めて知りました。
  昨夏の私は、該当地域にデータがない点で満足し、
  そこで照会を終わらせていた為、
  記録保存のシステムを知らずにいたのです。

  キジトラの去勢済のオスで4歳半…
  「オスかメスかも記録はしないんですよ」
  対応してくれた職員さんが、申し訳なさそうに言っていました。


  大野くん
  今のキミは、もしかしたら幸せな状態じゃないかもしれない。
  でも、キミの運はまだまだ尽きてないと思うんだ。
  だって、キミは不思議なLUCKY BOYだぜ?

  

大野くんの献身

気持ちの優しい大野くん

  大変ご無沙汰しております。
  ブログを更新しなくては! あれも報告しなくっちゃ!
  そう心で想い、焦るだけで結局季節が流れていきました。


  10月8日(火)の未明から、大野くんは行方が判らなくなっています。
  昨年の6月に丸2日帰って来なかった事件がありました。
  今回は、既に3週間以上経っているのです。

  問い合わせや照会のできる役場・機関には電話を入れ、
  【迷い猫を探しています】チラシを作成して、
  大野くんのかかりつけの動物病院とペットショップに、
  掲示をお願いしています。

  動物が嫌いな人、地域猫の存在を不快に感じている人も
  少なくないため(私の被害妄想ばかりでもないようで)、
  情報収集には配慮と勇気が必要でした。
  「このお宅なら、猫探しに理解を示してくれそう…」と
  狙いを定め、チラシを持ってインターフォンを押しました。
  ご近所づきあいを嫌う、この私が。

  接触できた方々は、快く協力依頼に応じてくれた上、
  励ましてくださいました。

  しかし、現在まで、良い情報が入ってこないばかりか、
  悪い情報すら何も、手がかりが見つかっていません。
  つくづく、私という人間の“徳”の無さが顕れている…

  いったい、あの夜、大野くんの身に何が起きたのでしょう。
  時間は、かなり特定できます。
  日付が変わった8日の0時半に、私は寝ついています。
  いつもなら、朝の5時ぐらいまでの間に最低2~3回、
  大野くんは私の顔をなめたり鳴いたりして、
  「手からシーバ」「ブラッシング」を要求するのに、
  あの日は5時にぼんやり目覚めるまで、何もなかった。
  つまり、午前1時~3時の間に外出したと思われます。

  ここで、大野くんが夜間の外出に及んだ理由、
  事情について、説明させてください。


  5月の下旬、友人が公園で保護した仔猫が、
  家族に加わりました。生後約1か月弱、340グラム。
  ヘルペスウィルス感染症により、充血した片眼が
  殆ど潰れたようになっていて、くしゃみも止まらない。
  でも、病院で処方された抗生物質と点眼薬のおかげで、
  眼はきれいに治り、くしゃみも治まって、
  みるみる元気に成長していってくれました。

  友人の希望で『ミライ』と名付けられた、その仔を
  実の妹のように可愛がっていたのが、大野くんです。
  「一緒に居ると感染してしまうから、できれば隔離して」
  と獣医さんに注意されていたけれど、大野くんは
  仔猫の面倒を率先してみてくれました。
  実際、やっぱり感染しちゃって、
  苦手な病院通いを余儀なくされた大野くん。
  公園で夜中に震えていた仔猫にしてみれば、
  どんなに安心できたことか…

  生後2か月には、早くも部屋を脱走したり、
  怪獣のように暴れまくるミライを、
  大野くんは精一杯サポートして、この夏は
  相当疲れたでしょうね。
  丹念に毛繕いをしてやったり、ミライの行動に目配りする姿は、
  微笑ましいというより、涙ぐましいものがありました。

  簡単な説明ではなくなっていますね。
  すみません。

  うちには、第三の猫、黒絵がいます。
  居間のカーペットや布団の上で寛ぐほど、
  飼い猫らしいところも増えてきましたが、
  どうしても、“野良”の部分は譲れないようです。
  彼が不安にならないよう、出入り専門の窓は、
  24時間365日開放したままですから、
  活発なミライが黒絵の行動を真似して、
  屋外に出ていくことはそもそも可能性として有った。
  なのに、防止できずに、外出癖をつけさせてしまった。
  ここは、「動物にしつけができない」私の失敗です、痛恨の。

  黒絵と同居するようになってからも、基本は部屋にいたい。
  大野くんにとって、それほど屋外は魅力的ではなかった。
  現に、窓から出ていく時は、ミライが外出して、
  それを「危なっかしいな」と渋々追っていく。

  黒絵は半野良でやむを得ないけれど、
  大野くんとミライは室内猫として、せめて夜間だけは
  外出できないようにしたくて、9月の終わりから
  防止策を実行し始めたところです。
  開放窓に通じるスペースの扉を、明け方までは閉じる。
  つまり、黒絵は5~6時間、別スペースに締め出される訳だけど、
  夜間行動がメインでもあるのだから、ここは呑んでもらおう。
  外が大好きなミライにも、1日の4分の1程度は我慢してもらう。

  それが、あの日。
  どうしても出なければならない打ち合わせがあり、
  めずらしく私の帰宅が遅くなったのです。1年ぶりくらいに。

  22時半。お腹を空かせまくった2匹にご飯を出し、
  「満腹より愛情」の大野くんの機嫌をとりつつ、
  2時間ほど3匹たちと過ごしました。
  何も変わったところは、なかった。
  ただ、外に通じる扉を、億劫がって閉めずに床に就いてしまった。

  5時に目が覚め、部屋には黒絵とミライの姿がありました。
  外から帰ってきたばかりという雰囲気です。
  大野くんの姿が見えないので、「あれ、お兄ちゃんは?」と
  声に出して尋ねました。
  大野くんが先に戻ってくる事はあっても、その逆は稀です。

  結局、出社の支度をしている間も、大野くんの姿は見えず、
  胸騒ぎを覚えながら、その日の夜、部屋のカギを開けたとき、
  いつもならドアのすぐ向こうに控えている筈の大野くんが
  居なくって、絶望しました…
  

  新しい猫が加わった場合、先住猫が体調を崩したり、
  家出してしまう事は、めずらしくないといいます。

  確かに、人間の愛情を独占できなくなった生活に、
  気持ちの優しい大野くんだって、
  少なからず不満は感じていたでしょう。
  その懸念事項は、ミライが来た5月から常に、
  私の頭にあり、フォローを心がけてきたつもりでしたが、
  結果として、大野くんにはツライ思いをさせていた…?

  大野くんが、この部屋を捨てるのか。
  愛情不足の私を見限るのか。
  彼の気持ちは、彼にしか解らない。

  7か月ぶりの更新が、このような報告になり、
  胸が潰れそうに苦しいです。

    以前にコメントしてくださった、ねこ友さま。
    放置したままで、本当に失礼しました。
    後日、必ずお返事しますので、ご容赦ください。

  
プロフィール

あつぶこ


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