陽射しが春めく2月後半から、
3月、桜の綻び、この時季が
いつも憂鬱だ。
理由は花粉症じゃあない。
町に「新顔」が現れる季節だから。
引越しシーズンの到来は、
捨て猫が増える事も意味する。
新顔は、すぐ判る。
戸惑う様子が全身に表れているもん。
そりゃそうだよ。
前日まで「家ネコ」だったんだから。
人間と暮らしていたんだから。
それが、唐突に放り出される。
食住の保障が無い外で生きて行けと、
置き去りにされる。
あるいは、離れた町から
連れて来られたかもしれない。
どっちみち、完全室内飼いだったら、
その町を知ってるも知らないもない。
転居先が「ペット不可」の物件だった。
まず、「ペット不可」を決める事情が、
よく解らないんだが(社宅とか?)、
そこをいったん措いても、
「置き去り」の結論が不思議でならない。
転居に当たって、「あなた」は、
不動産で幾つも物件を検討したでしょう。
引越し業者の選定も相見積りを取るなど、
予算の面で悩んだりもしたでしょう。
それと同様に、猫の行く末に関しても、
検討を重ねてくれましたか?
猫ブームと言われても、
「ペット可」の賃貸住宅は少ないままだ。
分譲であっても不可な所は多い。
だから、貰い手を見つけるのが難しい。
しかし、今は多くの愛護団体が活動しており、
相談するだけの価値はある。
情報は身近なところで手に入る筈だ。
貰い手探しも、情報収集も、
きっとやっていないんだろうなあ、
そもそも捨てる人間は。
動物愛護法による罰則もあるけれど、
動物遺棄はcrimeというよりsinです。