文世さんに逢いたい

「婆猫ふみちゃんのスローライフ」を綴りたくて、 2004年から始めたブログですが、
ふみは2009年3月に19歳10か月で逝きました。

グーグーだって猫である

風の匂い



    『グーグーだって猫である』の最終巻を、
    大晦日に書店で手に取った事は、先日書いた。

    その後、最終巻との間を埋めるため、
    4巻と5巻を買い求めて読んだ。
    あくまで、最終巻にはまだ手を出さず。

    どちらかというと、楽な気持ちで読み始めた、
    4巻と5巻だった。
    読んで…5巻のほうだ、
    最終巻のひとつ手前で、私はくずおれた。

    ある回を読み、泣いてしまった。
    泣く事など想定せず、コインランドリーなんぞで
    (ミライ登場前から、洗濯機が壊れたまま)、
    気楽に読んでいたら…だ。


    家族である動物と、闘病生活を送った人なら、
    たぶん私と同じ状況になったと思う。
    “感動”という表現からは、遠い。
    つらくて、しんどいエピソードだった。


    たった4頁(1回4頁の連載マンガ)で、
    こんなにも胸がえぐられるものなのか。

    自分の場合、読んだ直後に落涙して、
    その後も思い出しては、涙ぐんだ。

    今週は、仕事中に考え込んで(集中力が無いんです)、
    静かに目元をぬぐっていた。



    正直なところ、「読んでよかった」と言えない。
    読まないほうがよかったかもしれない、
    そんな風に思うほど…つらかった。

    大島弓子自身は、もちろん、
    もっともっとつらかった筈なんだ…




風を感じるふみちぃ

大島弓子とグーグー



2005年6月17日



    大島弓子の『グーグーだって猫である』は、
    コミックの文庫版を3巻まで買って、
    その後発行されたものには手をのばさないままだった。
    
    単行本として出るまでにけっこう時間がかかり、
    各巻の「あとがきマンガ」でも、
    作者がそういう状況を詫びているくらいなので、
    「いつか出るだろう」「いつか読めるだろう」と、
    こちらも、のんびり構える態勢になっていた。

    ファン歴が長くなると、みんな気が長くなるもんだ。





50時間失踪から1か月



    ただ、シニア猫になっている筈のグーグー(1995年生まれ)。
    彼のシニアライフは気にかかり、
    心の隅でたまに、「どうしてるだろう?」と考え込む。

    2年前、320グラムのミライを迎えてから、
    「毎日がてんてこまい」になってしまって、
    大島家の猫たちの事は、しばし遠いものになっていた。


    大野くんが居ない2度目の大晦日。
    でも、大野くんが無事に暮らしている事が、
    ほぼ確認できた状態だったので、
    1度目よりは悲痛さのない、昨年の大晦日。

    大掃除もせず、ふらふら外出して本屋に入ると、
    探していた本より先に、
    『グーグーだって猫である』の文庫版新刊の背表紙が、
    ぐぐっと目に飛び込んできた。
    そう。ホントに、飛び込んできた感じなのよ。

    指先が、本に触れる前に、予感があった。
    手に取って、本の裏側の解説を斜め読みしたら、
    その巻が「グーグー」シリーズの完結編だという。

    中を開かなくても、解った。
    グーグーは…

    文庫版の後ろの頁だけ読んでみた。
    簡潔な線のマンガと、短い台詞で、
    グーグーの病死が描かれていた。
    あえて、感情を排除した「報告」になっている。

    グーグーは、東日本大震災の翌月に、
    腎臓の病気で亡くなっていた。
    15歳半ではなかっただろうか…







生後3か月

                      生後3か月のミライ。ちょっと凛々しい




    「グーグー」マンガはこれで終わり、となっている。
    私は、グーグーの訃報(3年半遅れ)に触れた後、
    本を棚に戻しながら(買わないのかよっ)、
    ぼんやり考えていた。

    彼女はもう、マンガを描かないつもりかもしれない。

    サバの死後、たぶん
    大島弓子はストーリー漫画を発表していない。

    彼女の砂漠をオアシスに変えた、グーグーとの生活を
    マンガで描いて世に出していた。もっぱら。

    そのグーグーを喪った、彼女の心を想像してみる。

    
    グーグーに次いで、続々と彼女は猫を引き取り始め
    (ペットショップで買ったのは、グーグーだけだと思う)、
    引っ越し先の一戸建ては、9匹の大所帯になっていた。
    
    残された猫たちが居るのだから、
    さすがに、心は砂漠にも荒れ野にもなっていないだろう。
    
    それでも、喪失感の深さを埋めることは難しい。
    「連載終了」は、主役の退場が理由では、もちろんない。


    作者の心から、「描く気持ち」が空へたなびいていく。
    彼女が、猫と暮らした30年近い月日のぶんだけ、
    長く、ほっそりした煙が見えるようだ。



    
プロフィール

にほんブログ村 猫ブログ 老猫・高齢猫へ

にほんブログ村 就職バイトブログ 派遣社員へ

QRコード
QRコード

  • ライブドアブログ