愛のことば
生後半年ぐらいのふみ
気持ちを伝える事って、大切だ。
それも、できれば言葉にして、口に出すのがいい。
たかが言葉。されど言葉。
幼少の頃からふみは、執拗に愛を求める娘だった。
30分おきに、「わたしって可愛い?」
「わたしのこと、好き?」と話しかけてくる。
大げさに聞こえるかもしんないけど、まぁそんな日々よ。
こちらがどう対応していたかというと;
「ふみちゃん可愛いねぇ~
キミみたいに可愛いコ、どこにもいないぞ」
「ふみちゃん愛してるよぉ、キミが一番!」
―― 淡々と言葉で接しておりました。
毎日の習慣な訳だから、情熱的に言ってると疲れる。
淡々とした台詞。
でも棒読みじゃない、心からそう思ってるので。
愛情表現には、もちろん眼差しや態度も必要だと思う。
むしろ、言葉よりそれらを重視する人のほうが多い?
ところがねぇ。
ふみは、見つめられたり撫でられる事が嫌いだったの。
執拗に愛を求めながらも、相手に期待する愛情表現が
限定されたものだという…
難しい女
毛繕いなら喜んでくれたので、
もっぱらブラッシングしながらの“愛のことば”
大野くんは、言葉よりスキンシップを好みますね。
ふみが許してくれなかった「お腹マッサージ」も、
進んでやらせてくれる。いや、寧ろねだってくる。
(彼もふみ同様に粘着質で、諦めることを知らない)
『メシより愛』という姿勢は、
ふみと大野くんに共通しています。