イオが部屋にやって来てから、8週間。
ミライにはお姉ちゃんになってほしかったけど、
そのような気配は未だなく…。
そもそも、イオのほうに
ミライを慕う気持ちが無いみたい。
同胞として、ルームメイトとして、
何でもいいから、「仲間意識」のようなものを
抱いてほしい。
ミライとイオは、毎日取っ組み合いと追いかけっこ。
騒がしくって、歓迎できたもんじゃないが、
距離を置いていがみ合った状態よりは、ずっといい。
ただ、このバトル、常にミライが劣勢なんです。
イオが「叩き上げの女」って感じで、強いのはわかる。
でも、「お嬢さま」扱いをしてきたミライだって、
実はこの部屋の怪獣だったんだよ。
大野くんと黒絵が手加減して相手をしていたから、
実際はそんなに強くないのかもしれない。
気持ちが負けてるのかな。
体格ではイオに圧勝している。
肥ってきたとはいえ、俊敏さだって衰えていない。
なのに、気弱な威嚇の声をあげているのは、いつもミライ。
イオは堂々としたもんで、一切声を出さず、
果敢に攻め続ける。
ミライ。キミは弱くない。
もっと自信をもって。
そう。勇気を出そう。
(ミライと自分に向けて、呟いてみる)